ユリの絵で一番印象に残っているのは
有名な星野富弘さんが初期の頃に描かれた白いユリ
当時、美大を目指す浪人生だった私は
口に筆をくわえて描いたというそのユリの
力強さ、生き生きしたタッチに衝撃を受けた
そして、ほとんどの絵に添えられた彼の言葉も
自分自身の心と正面から向き合っている人の
美辞麗句ではない、本音が綴られていて胸に染みこんだ

あれからもう20年ほどの歳月が流れ
赤いユリを描く私がいる
目の前のユリは、やはり力強く、そして鮮やかだ

「どうしたら、こんなまぶしい色が出るのだろうか」

ただただ、白い紙の上に、力強いその実在感を出したくて
一心に色を重ねていく
日々絵を描き続ける中で
絵は単に対象の形を写し取るものではなく
そこに確かに存在をあらしめている何かを
感じとって表現することが大切なのだと
内側から感じられてきたことが、うれしい

絵も仕事も人生も同じ
いのちを表現するという、その営みにおいては

その核をいつも見失わない
私でありたい

2007/06/19 TK