たまご酒――この言葉から私は、あたたかい響きを感じる。  風邪をひいた時に、幼いころに飲んだ気もするのだが、定かではない。  もう5年以上も前に、機内誌で、瓶詰めの“たまご酒”を造っている仙台の蔵元(勝山企業株式会社)を取材した記事が載っていて、そのたまご酒に一目惚れしてしまった。  その記事には、写真も載っていたのだが、文字通りの“たまご色”をしたお酒が、なんともかわいいレトロな四角い瓶に入っていて、とても美味しそうに見えたのだ。しかも、卵を使っているにもかかわらず無添加というから、ますます惹かれた。  だから私は、「いつか取り寄せて飲んでみたい」とその記事を切り抜いて、しばらく大切に保管していた。が、何本もまとめて買うのもおっくうだったので、半ばあきらめていた。  ところが、最近、都内のデパートの酒売り場で、たまたまバラ売りのその製品を見つけた。かつて見た写真の通りのデザイン。しかも、300mlで1本676円という手頃な価格。絵てがみのモチーフとしても使えると思ったので、日を改めて昨日、仕事帰りに売り場に立ち寄って、購入した。  子供に見つからないように、仕事カバンに忍ばせて帰宅したが、子供はなぜか勘が働く。玄関で私のカバンを取り上げ、部屋まで運んでくれたのはいいが、廊下の途中でカバンを落としてしまい、「ゴン!」という変な音がした。そして、私が着替えている間に、カバンを開けられてしまった……。  が、幸い、家族への土産にと、同じデパートで買った煎餅が入っていたものだから、子供たちの関心がそちらに向き、“たまご酒”は思ったほどには注目を浴びなかった。  しかしながら、子供がミルクセーキと間違えて飲まないように、「これはお酒だからね」とよくよく念を押して、冷蔵庫に素早くしまいこんだ。  気になる“たまご酒”のお味の方は……、後日飲んでから、コメントしますね。(TK)