散歩の途中で見かけた菜の花に会いたくなって
夜明けとともに近所の畑に出かけた

うっすらと白く霜が張った広い畑の真ん中に
点々とその花は咲いていた
寄り添うように
しかし、一つ一つの花が
個としての存在感を示すかのように
可憐な花びらを広げていた

サインペンで輪郭を描き終え
水彩で色を塗ろうとしたとき
シャリ、シャリ…
地面の上に置いたパレットの上で音がした
なんだろう、とのぞき込んでみると
なんと、水で溶いた絵の具がシャーベットのように凍っていた

私は再び菜の花を見つめた
幾日ものこうした厳しい寒さを乗り越え
大変な思いをして咲いたなんて
まったく感じさせず
ただひたすらに、あたたかな黄色と黄緑の光彩を放っている

「春の訪れをいち早く知らせることが私の幸せ」

そんな喜びだけを語るかのように

TK